閉じた二人(1)
たかが「食べ間違い」を
気にするのはおかしいと
一般的には思われる
かもしれない。
だけど、毎日まいにち
母と一緒にいて、その老いを
ほぼひとりで背負っている
わたしとしては
かなりの
あーあ、と思うこと
なのである。これは。
*
親の面倒みるなんて初めてだし
認知症のはいってきている人と
こんなにも閉じた生活のもと
マンツーマンで向き合うのも
人生初めて。
世に聞く、「食事したことすら
忘れてしまう」こともないし
…「何食べた?」と聞かれたら
捏造した献立をすらすら述べて
人と上手に会話する…
「モノを取られた」なんて
物騒なことは言わないし
…自分が忘れ物したのでは?と
急に思い立つことがあるらしく
夜中に荷物の点検を始めるの
しばしば…
毎日まいにち同じ会話して
うんざりしつつも
まあ、なんとかやっている
つもりでは、わたし自身いて
しかし、自分の内面に
物凄ー--いストレスが
あるのも否定できなくて
自分で思っている以上に
実はあぶないのかも。。。
そして母は
わたしの想像もしないところで
自分の老いに戸惑っている
可能性もある。