閉じた二人(1)

たかが「食べ間違い」を
気にするのはおかしいと
一般的には思われる
かもしれない。

だけど、毎日まいにち
母と一緒にいて、その老いを
ほぼひとりで背負っている
わたしとしては

かなりの

あーあ、と思うこと

なのである。これは。



親の面倒みるなんて初めてだし
認知症のはいってきている人と
こんなにも閉じた生活のもと
マンツーマンで向き合うのも
人生初めて。

世に聞く、「食事したことすら
忘れてしまう」こともないし
…「何食べた?」と聞かれたら
捏造した献立をすらすら述べて
人と上手に会話する…
「モノを取られた」なんて
物騒なことは言わないし
…自分が忘れ物したのでは?と
急に思い立つことがあるらしく
夜中に荷物の点検を始めるの
しばしば…

毎日まいにち同じ会話して
うんざりしつつも

まあ、なんとかやっている
つもりでは、わたし自身いて

しかし、自分の内面に
物凄ー--いストレスが
あるのも否定できなくて

自分で思っている以上に
実はあぶないのかも。。。

そして母は
わたしの想像もしないところで
自分の老いに戸惑っている
可能性もある。